このみちどのみち何の道?
可部線廃線跡!
2017/11/03〜06、広島・島根の鉄道旅です。
メインは可部線[Wikipedia]廃線跡。
廃止された三段峡〜可部間を堪能する旅なのです!
1.可部線とは
可部線は、広島県の山陽本線横川駅[Wikipedia]からあき亀山駅[Wikipedia]を結ぶ鉄道路線です。
この路線、かなりユニークな変遷を遂げていることで有名です。
かつての国鉄時代は、
横川――可部――安芸亀山――三段峡
を結ぶ路線でした。
横川〜可部間は電化、可部〜三段峡が非電化です。
その後、国鉄民営化を経て、可部〜三段峡間が廃止。
横川――可部……安芸亀山……三段峡
しかしながら、もともと可部〜あき亀山間は、地元から電化区間延長が要望されていた区間、需要がある区間だったのです。
なんと、2017年、可部〜あき亀山間が電化延伸。
JR発足後初の、廃線区間の復活となったのです。
横川――可部――あき亀山
…安芸亀山……三段峡
なお、ややこしいことに、廃止となった安芸亀山駅と、復活区間の末端のあき亀山駅は、全く別の場所にある駅なのです。
両者は5kmほど離れています。
ところで、可部〜三段峡廃止となる2003年12月1日から遡ること1ヶ月半、2003年10月11日に、当時T-1グランプリ(JR西日本乗りつぶしの旅)を行っていた私は、この区間を乗車しています。
廃止直前とあって、まさに山手線のような満員状態でした……。
その現役時代の写真がコチラ。
……イマイチな写真ですみません。
当時は、乗車証明の写真として撮影していたものですから、私自身の姿が写っているのです。
もっと写真、ちゃんと撮っていれば良かった……廃線後の写真と見比べることもできたのに……。
2.三段峡駅へ向かいます!
それでは、まずは復活区間の末端、あき亀山駅を見てみましょう。
綺麗な駅ですね!
車で三段峡駅に向かったのですが、途中、いたるところで鉄橋やガードなどの遺構を見ることが出来ます。
3.いよいよ廃線区間へ!
三段峡駅跡
横川駅より60.2km、三段峡駅[Wikipedia]。
かつての可部線の終着駅であり、景勝地三段峡へのアクセス駅でした。
駅跡は広場になっており、モニュメントが立っています。
戸河内(とごうち)駅跡
横川駅より57.3km、戸河内駅[Wikipedia]。
こう見ると駅跡の雰囲気が漂っていますが……
ただっ広い駐車場の端にあるのです。
後に建てられたバス待合所。
随分、立派ですね!
土居駅跡
横川駅より56.2km、土居駅[Wikipedia]。
ある意味、この廃線跡のクライマックスかもしれません(いきなりですが……)。
なぜならば……。
なんとフォトジェニックな!!
これぞ廃駅!!!
実際、廃駅。(イカロス・ムック)[Amazon.co.jp]の表紙を飾っている駅です。
駅前?へのアプローチはこんな感じ。
ガードの上は、当然、立入禁止になっています。
歩いてみたい……。
筒賀駅跡 上殿(かみとの)駅跡
横川駅より54.1km、筒賀駅[Wikipedia]。
あれ?
一駅飛ばしていたようです……最悪です……。
横川駅より52.0km、上殿駅[Wikipedia]。
このあたりらしいです。
何も残っていないですね。
鉄道の痕跡は見ることが出来ます。
殿賀駅跡
横川駅より50.0km、殿賀駅[Wikipedia]。
この駅も、なかなか雰囲気があって良いですね。
作りは土居駅にかなり似ています。
綺麗に整備されていますね。
反対側にはトンネルが。
木坂駅跡
横川駅より47.9km、木坂駅[Wikipedia]。
ここも、これまでに何度か見てきた、築堤の上の高架駅です。
雰囲気、似ていますよね。
ローカル線につきものの、使用済み切符回収箱とワンマン列車の乗り方。
鉄道電話もちゃんと残っています。
加計(かけ)駅跡
横川駅より46.0km、加計駅[Wikipedia]。
廃止区間の中心駅で、1面2線、当駅止まりの列車も多く、この駅での乗り換えもありました。
私もかつて、この駅で乗り換えています。
駅跡は……ホームのカットモデル?
かつての駅前広場と思われるただっ広い場所の中央に鎮座しています。
かつての加計町の中心地。
獣医学部の例の問題とは関係無い、と思います。
付近に残る車庫には、国鉄キハ28形気動車[Wikipedia]が保存されています。
イベントでエンジンをかけたりするらしいです。
香草(かぐさ)駅跡
横川駅より44.4km、香草駅[Wikipedia]。
ホームと待合室が残っているそうですよ。
って、あれ?
ここだよな、何も無さそうな……。
しかも、何か工事してるし……。
「新しい広場をつくっています」って、鉄道広場?
確かに、検索すると、「旧JR香草駅整備工事」というのがあるようですね。
津浪駅跡
横川駅より42.5km、津浪駅[Wikipedia]。
道路脇に駅名票がありますが、
こっちの方が目立ちますね。
そう、駅跡を「ぷらっとホームつなみ」として、軽食・特産品販売を行っています。
立派な建物ですが、廃線後に建てたもので、かつての駅とは関係無いそう。
駐車場にもそれっぽいペイントが。
良い演出ですよね。
田之尻駅跡
横川駅より40.6km、田之尻駅[Wikipedia]。
この田之尻駅、かつては筒賀駅という名前でした。
後に、新・筒賀駅(そう、上記で私がうっかりスルーした駅です)が出来たため、当駅は筒賀駅から田之尻駅に改称したそうです。
時刻表も残っています。
坪野駅跡
横川駅より37.6km、坪野駅[Wikipedia]。
ここらしいです……。
何も残っていませんね……。
水内(みのち)駅跡
こんな感じです。
水内駅公園の中に、ホームの一部が残されている感じです。
かつては1面2線だったようですね。
土と草に覆われていますが、うっすらとレールが見えますね。
安野駅跡
横川駅より32.1km、安野駅[Wikipedia]。
現在では、安野花の駅公園として整備されています。
駅舎もばっちり残っています。
良い雰囲気です!
昔の駅はこんな感じでしたよね。
1面2線のホーム跡には、国鉄キハ58系気動車[Wikipedia]が静態保存されています。
有料で貸切も出来るそうですよ。
小河内(おがうち)駅跡
横川駅より29.6km、小河内駅[Wikipedia]。
ここも、誤ってスルーしてしまっていたようです……。
布駅跡
横川駅より27.5km、布駅[Wikipedia]。
2面2線の駅跡にはトラックが停まり、ホームも資材置き場に。
安芸飯室(あきいむろ)駅跡
横川駅より25.1km、安芸飯室駅[Wikipedia]。
駅舎が綺麗に残っていますが、これは、支援金を集め、かつての駅舎をプラットホーム安芸飯室というカフェとして整備したもの。
1面2線プラス留置線1線の駅だったそうです。
良い感じに設備が残っていますね。
毛木駅跡
横川駅より23.4km、毛木駅[Wikipedia]。
ホームの跡が残っています。
安芸亀山駅跡
横川駅より20.6km、安芸亀山駅[Wikipedia]。
前述のように、現在のあき亀山駅とかつての安芸亀山駅は全く別の駅で、5kmほど離れています。
きれいさっぱり、何も残っていません。
地元の方に聞くと、このあたりの何本目の電柱のあたりだった、との事で、ようやく特定できた感じです。
周囲は小さな集落で、あき亀山駅周辺とは随分雰囲気が違います。
今井田駅跡
ここに至る道、非常に狭いです。
対岸に渡れる橋もあるのですが、これも狭い!
この橋については、Wikipediaに「3ナンバー車は注意を要する」と書いているのですが、ムリじゃね?
河戸(こうど)駅跡
横川駅より15.3km、河戸駅[Wikipedia]。
この線路は復活区間、バリバリ現役です。
GPSによると、このあたりだと思うのですが、復活区間として整備されているため、特定は難しい……。
なお、写真は河戸駅跡と思われる場所から可部駅方面を望んでいます。
写真では分かりにくいのですが、数百メートル先に復活の際に新設された河戸帆待川(こうどほまちがわ)駅[Wikipedia]が見えています。
可部〜河戸間1.3km、可部〜河戸帆待川間0.8kmですので、やはりこのあたりで間違い無いようですね。
可部駅
横川駅より14.0km、可部駅[Wikipedia]。
かつての電化区間と非電化区間の境界駅であり、一度は可部線の終着駅となってしまった駅です。
綺麗な駅ですが、復活に際して整備したそうです。
なお、横川〜あき亀山間15.6kmですが、私が乗車した電車は47分もかかっています。
表定速度19.9km/h……。
列車交換待ちが多かったですからね……。
4.という事で
一度は廃線となったけれども一部区間が電化復活した点、多くの場所で遺構が残っている点、いくつかの駅は地元で整備してカフェ等で活用している点、等々、魅力溢れる廃線跡です。
オススメです。
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